by Yuya Hosokawa
LMC Championship 2016決勝戦。
まずは千葉から植木 淳一。
LMCの常連であり、LMCCファイナリスト歴代最年長と自虐する植木。
本日は青白フラッシュという新しいデッキを使い、長い14ラウンドを8位で突破し、今この最後の二人の内の一人に残っている。
あまり慣れないデッキを使用しているとのことだが、にも関わらず並居る強豪を押しのけて決勝の席に座っているのだ。地力の高い証拠だろう。
そしてLMC Championship優勝の座を狙う刺客となるのが石原 隼だ。
chagamo Fireballという謎の集団に所属する石原。決してMTGの調整チームではないらしいのだが、このchagamo Fireballという名前、そして石原の姿をトーナメントの上位で見かけることは多い。
現にプロツアーの権利も獲得しており、再来週にホノルルで行われる『プロツアー・カラデシュ』に出場予定なのだ。
そんなプロツアー前哨戦となるLMCCに石原が持ち込んでいるのはティムール現出。
前環境から存在するデッキの中でも比較的ローテーション落ちの影響を受けておらず、《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》によってむしろ強化されたと言っても過言ではない。プロツアーでもこのデッキを持ち込むプレイヤーは決して少なくないだろう。
千葉の植木と長野の石原。
LMC Championship決勝は、静かに幕を開けた。
GAME 1
石原の《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald(SOI)》2連発が、LMCC最終戦の最初の呪文となった。
続けて石原は《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》を唱えこれが通り、コツコツとダメージを刻み始める。
《原初のドルイド/Primal Druid(EMN)》も悩みながら植木はスルー。だがここで植木に異変が。
ディスカードフェイズに入り始めたのだ。
そして一方の石原。実はこちらも前のターンから土地が止まっており、《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》を生贄に捧げて《不憫なグリフ/Wretched Gryff(EMN)》を唱えて土地を探しに行く。だが、土地に巡り合うことはない。
《不憫なグリフ/Wretched Gryff(EMN)》を打ち消された石原は次のターンにようやく土地に巡り合うもタップイン。《過去との取り組み/Grapple with the Past(EMN)》を打つもここには植木の《虚空の粉砕/Void Shatter(OGW)》。一進一退だ。
《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》の2枚目を通した石原。すぐに《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》で戻されてしまうが、石原は意に介さずに《不憫なグリフ/Wretched Gryff(EMN)》をキャスト。これが《非実体化/Unsubstantiate(EMN)》で手札に戻されたことで、手札が8枚の石原は《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》をディスカードする。
植木は《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》で攻撃するのみ。石原は《原初のドルイド/Primal Druid(EMN)》、《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》と並べて地上を固める。
打ち消す代わりにこのターンを《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》に当てた植木。カードを補充して石原を迎え撃つ。
悩む石原。濃厚な手札と目の前に立つ6枚の土地。
数ある選択から石原が選んだのは、《原初のドルイド/Primal Druid(EMN)》を生贄に《不憫なグリフ/Wretched Gryff(EMN)》を召喚。この《不憫なグリフ/Wretched Gryff(EMN)》の着地も植木に許可される。
このターンのエンド前に長考した植木。だがアクションは結局なく、自分のターンを迎える。
そして植木は自分のターンでも動かない。
先に仕掛けたのは石原だった。《不憫なグリフ/Wretched Gryff(EMN)》を生贄に《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》を召喚。島以外の4つの土地をタップさせる。更に《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin(BFZ)》で《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End(EMN)》を手札に。
これに対して植木は《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》を《虚空の粉砕/Void Shatter(OGW)》で追放することを選ぶ。
そして2マナしかない隙を突いて《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》をプレイ。プラス能力を使用する。
場のクロックが《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》しかない植木。この《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》を倒すべく、石原のアップキープに《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》を唱えるのだが、それに対応して石原も《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》。《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》を誘発させて5点を与え、更に手札から《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》を唱える。
これで植木は《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》を倒す手段を失ってしまう。
《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》には《石の宣告/Declaration in Stone(SOI)》を打ち込んだものの、根本的に《生命の力、ニッサ/Nissa, Vital Force(KLD)》に対処できない植木。
《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End(EMN)》が、植木から投了の意志を引き出させた。
石原1-0植木
GAME 2
このゲームも石原の《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald(SOI)》から始まった。
《鎖鳴らし/Rattlechains(SOI)》を2ターン目に唱えた植木は石原の《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》を《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff(KLD)》で打ち消すと、いつものようにドローゴー。
ここで石原は自分のメインで《過去との取り組み/Grapple with the Past(EMN)》をプレイ。植木は《否認/Negate(OGW)》でこれを打ち消し、続けて石原は《進化する未開地/Evolving Wilds(BFZ)》を。一気に2種類が落ち、昂揚が達成。《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald(SOI)》をキャストし、続くターンには《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow(EMN)》を着地させる。
《鎖鳴らし/Rattlechains(SOI)》でまったく殴れなくなってしまった植木。対照的に、クロックに晒されることがなくなった石原は、蜘蛛トークンで攻撃を始める。
《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow(EMN)》本体こそ《石の宣告/Declaration in Stone(SOI)》で除去されたものの、石原も植木と同じくメインではアクションを起こさない。焦る必要はないのだ。
動くのは植木のターン終了時。《原初のドルイド/Primal Druid(EMN)》を現出コストに当てて《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》を召喚。これは《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection(KLD)》で打ち消される。
続けて石原が唱えた《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》も《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》で対処する。
だが植木、勝負を焦ったのか蜘蛛トークンに対して《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》で攻撃に向かってしまう。《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》はトークン1体と相打ちになり、《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》は無事に着地。今度は《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》で攻撃を始める。
そして植木のターン終了時に再び《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》。
この《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》には《虚空の粉砕/Void Shatter(OGW)》を合わせた植木。
だったのだが。
既に手札は枯渇してしまった。石原の《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End(EMN)》に、対抗する手段はない。
恐ろしいエルドラージが植木から《鎖鳴らし/Rattlechains(SOI)》を奪い、エネルギーカウンターを奪う。
最後に奪われたのは、植木のライフだった。
石原2-0植木
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