みなさんこんにちは!
昨年LMCCの賞品に拡張アートを作らせていただいた植木と申します。
前回のテーロス神シリーズが光栄なことに大変なご好評を頂きましたので、調子に乗って今年もやらせていただくことになりました!
何のカードをやるのかって?
そりゃアンタ、リミテッド専用コモンとか賞品で貰って嬉しいのかい?
年に一度の祭なんだから豪勢に行かせてもらいますよ!
タルキール覇王譚の目玉と言ったらこれでしょ!
5枚無いって?
作業に入った時点では発売日前だったからしょうがないでしょ!
※なお、今回も拡張アート用のカードは全てLMC Promotersからのご提供です。
★工程その1:マスキング★
私が拡張アートを作る際には、カードのどの部分に描き足すのか、どの部分を残すのかをあらかじめ決めてから取りかかります。
今回は「トーナメントでも使える拡張アートにする!」というコンセプトで作ると決めたので、
ゲームに必要となる情報(カード名、マナコスト、テキスト…)を全て残す必要がありました。
そこで、それらを塗りつぶしてしまわぬようにマスキング処理を施します。
まずは、外の黒枠を取り囲むようマスキングテープを貼り、裏に折り返して縁を保護します。
(この時いらないカードを裏に合わせておけば、作業中に裏面に傷を付ける心配がなくなります。)
次はカード名部分に貼ります。この時使うテープは6mm幅の物を用意しておくと、カード名の枠と同じ幅なのでぴったり貼れます。
貼ったら枠の形に合わせてデザインナイフでカットしましょう。
同じく、塗らない場所にマスキングをします。
今回はテキスト部分、カードタイプ、エキスパンションシンボル、ホログラムマークを残すことにし、
テキストはボックス全体ではなく、ゲームに関係ある表記の部分のみマスキングしました。
★工程その2:下地作り★
マジックのカードデザインはM15から新しくなり、下部の黒枠部分が広くなりました。
実はこの黒枠が曲者でして、黒などの濃い色の上に絵の具を塗ると、下の色が透けてしまいます。
それを防ぐためには絵の具を厚塗りすることになり、カード自体の重さや質感に影響してしまいます。
今回目指すのはトーナメントでデッキに入れて使えるものなので、しっかりと下地処理をしたいと思います。
さてこれは何でしょう?
そう。紙やすりです。
これで…
カードの表面を直接削ります!
カード「な、なにをするやめろー」
ぼく「すまぬすまぬ」
カード「ぎゃあああああああ!!」
見るも無残な姿になってしまったフェッチランド。
本当にこれが拡張アートになるのか!?
高いカードをただの紙屑にしただけじゃないのか!?
そう、これはまだ始まりにすぎなかった。
年に一度の宴であるLMCCに花を添える、世界に一枚のカードが創り出されるその過程の…。
--つづく--